インプラントと矯正歯科
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インプラント

インプラントの利点

インプラント治療の利点は、義歯をしっかりと固定できることです。インプラント治療においては、残っている歯を削ったり、残っている歯に義歯を安定させるための装置を付けたりすることはしません。残っている歯に負担をかけずに治療をおこなうことができることも、インプラント治療の利点です。
インプラントの構造


基本的には三つのパーツからできています(図1)。顎骨の中に埋め込まれる部分すなわち歯根部(インプラント体)、インプラント体の上に取り付けられる支台部(アバットメント)、歯の部分に相当する人工歯(上部構造)から構成されています。
インプラント治療の流れ


一次手術

二次手術

インプラント治療に関する注意点
手術が伴うため誰でも受けられるというわけにはいきません。
心疾患などで症状が重い人や安定していない人は難しくなります。
国民病として問題となっている糖尿病患者は、手術後の傷の治りが悪くなり、感染の危険性が増します。
また、骨を作る細胞の機能や数が低下して骨結合ができなくなる恐れがあり、治療後にはインプラント周囲炎を起こしやすくなります。血糖値がコントロールされていない人ではコントロールされるまで治療は延期する必要があります。
50歳以降の女性に多い骨粗しょう症は、骨が軟らかいより硬い方が臨床成績がよいため、リスク因子となりますが、インプラント体の埋入方法や骨結合しやすいとされているインプラント体の使用などにより対処できます。
しかし、患者が予防薬あるいは治療薬としてビスホスフォネート製剤を使用している場合は、手術後に顎骨の壊死に至ることがあるので注意が必要です。投薬の種類や期間などによっては治療可能ですので、主治医に相談することが重要です。
矯正歯科治療

矯正歯科治療のメリットとリスク
矯正歯科治療のメリット
① 歯科疾患の予防
② あご骨の成長発育障害の予防
③ そしゃく機能の改善と維持
④ 口唇閉鎖不全の改善
⑤ 発音の改善
⑥ 顎関節と咬合との調和
⑦ 体のバランスや運動能力の改善
⑧ 一般歯科治療を行うために必要な歯の移動が可能になる
矯正歯科治療のリスク
① う蝕、歯肉炎、歯周炎
② 治療期間の延長
治療開始時期
子どもの矯正歯科治療
子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)の生え変わりはある程度時期が決まっています。親知らず以外の永久歯が全て生えそろうのは中学生くらいです。歯並びや咬み合わせは、全ての永久歯がしっかり並んで、それぞれの歯がしっかり噛み合ってこそ健康的に長持ちするのです。したがって、早く治療を開始してもその子どもさんの成長が止まって咬み合わせが安定していることを確認するまでは矯正歯科治療や管理が続くことになります。
子どもの矯正歯科治療を始めるにあたっての大原則は、治療期間や本人の負担をなるべく軽減するために「後からでも改善できることはあまり早くから介入しないこと」です。
早期に矯正治療を着手しないといけない症例は問題は、そのまま放置しておくと今後起こる成長に悪い影響を与えると判断されるものだけです。 それ以外の場合は早期に着手しても、後々歯の生え変わりや成長とともにまた問題が再発することもがあります。最も効果の出やすい最適な開始時期まで待ちましょう。
ただし症状や患者さんの骨格パターンによっては、早く治療を開始したほうがいい場合も少なからずあります。
歯並びやかみ合わせが気になったら受診は早めに、治療開始時期は矯正歯科医に見極めてもらうことをお勧めいたします。
☆子どもで始めた場合
【メリット】
- これから起こる成長を利用しやすい。
- 虫歯や修復歯、欠損歯が少ないので、矯正歯科治療を行う上での選択肢に幅がある。
- 歯の移動に伴う歯肉の退縮や骨の減少が起こりにくい
- 保護者の方の意見が優先されがちで、患者さん本人が消極的な場合は、治療の協力(歯みがきも含めて)が得られにくい。
- 成長に伴う環境の変化、また患者さん自身にも変化が見られるので、治療に対するモチベーションを維持するために、特に注意を払う必要がある。
大人の矯正歯科治療
矯正歯科治療は子どもの時にするものだから、大人になったらもうできないと思って諦めかけている人も案外多いようです。大人の患者さんには歯周病のリスクを抱えている、子供に比べて歯の動きが遅い、歯に詰め物やかぶせ物をしている箇所が多い、骨の成長を期待できない、…などの特徴を持っている方がほとんどです。
その一方で、歯の矯正歯科治療中にいろんな装置を使うこと、丁寧に歯磨きを行うこと、きちんと来院することなどについて患者さんの協力が得られやすいというメリットもあります。
☆大人で始めた場合
【メリット】
- 本人の意志で治療を開始するので、その後の治療においても協力が得られやすい
- 治療に対しての関心や理解力が高い
- すぐに本格的な治療が開始できる。
【デメリット】
- 虫歯や修復歯、欠損歯が多い
- 歯周病に罹患している場合が多く、治療に対して注意が必要である。
- 歯の移動に伴い歯肉の退縮や骨の減少が起こる可能性がある。
保定までが矯正歯科治療
矯正歯科治療の本当の目的は、患者さんが80歳になっても20本以上の歯が残っているように、歯と歯並びを長持ちさせることにあります。そのために、歯がきれいに並んで理想的なかみ合わせになったら、ある程度の期間、歯をとめて、なるべく長く維持させる必要があります。これを保定といいます。
保定に使う装置は取り外しができるものや表から見えにくいものなどがほとんどで、歯を動かす治療のときに使う装置に比べるとかなり負担が減ります。また、来院も4~6か月に1回程度になります。
矯正歯科治療の流れ

上顎前突(出っ歯)の治療法

成長期のお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は上顎骨の過剰発育を抑えたり下顎骨の成長を促進したりします。これは成長の早い時期(8才~10才)に行うのが望ましいです。
さらに奥歯に原因がある場合は、適切な矯正装置で上下の奥歯も動かし、正しい咬み合わせにします。必要に応じて、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。次に前歯を移動させて引っ込めたり、その他のすべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。
下顎前突(反対咬合・受け口)の治療法

適切な矯正装置で上下の前歯を動かし、正しい咬み合わせにします。
これは成長の早い時期(6~8才)に開始するのが望ましいです。同時に、成長期にお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は下顎骨の過剰発育を抑えたり、上顎骨の成長を促進したりします。必要に応じて、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。
成長の終了後に、すべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。
叢生(八重歯など)の治療法

成長期のお子さんで、骨格に問題がある場合は、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。歯だけが問題の場合は、永久歯がすべて揃うまで、しばらく観察を続けます。
しかし、がたがたのために上下の歯がうまく咬み合わない場合には、部分的に悪いところのみを早期に治療する場合もあります。永久歯がすべて揃った段階で、すべての永久歯に器具をつけて最終的な咬み合わせを獲得します。歯が動いていく隙間をつくるため、抜歯をすることもあります。
開咬の治療法

成長期のお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。指しゃぶりや舌のくせがある場合には、適切な矯正装置を用いるか、舌やお口の周りの筋肉のトレーニングを行ってそれらの影響をなくし、正しい咬み合わせにします。これは成長の早い時期(6才~8才)に開始するのが望ましいです。
過蓋咬合の治療法

成長期のお子さんで、骨の大きさに問題がある場合は、成長期間中上下の顎の成長の管理をします。これは成長の早い時期(8才~10才)に開始するのが望ましいです。一般的に引っ込み過ぎた上の前歯を先に治します。